アマプラ視聴録

エンタメ系まとめサイトに記事を納品している30代のフリーライターが『AmazonPrime』で視聴できる映画・アニメ・海外ドラマなどのあらすじを3行でまとめるブログ。twitter:@murancianotes

映画『トランセンデンス』の3行あらすじと感想!酷評された映画のテーマを考察!?

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 Amazonプライム・ビデオで視聴可能な映画『トランセンデンス』を見た感想です。

 

トランセンデンス』はジョニー・デップ主演のSF映画ですが、アメリカで酷評され、日本での評判も芳しくありません。キャストは豪華な上、映像も綺麗なのですが、「印象に残らない」という感想がたくさんあります。

 

 「まあまあ面白いんじゃない?」と僕は感じました。ただし、テーマが上手く映画に落とし込めていないと感じられたので、僕なりに紐解いてみました。

 

 

トランセンデンス』の3行あらすじ

  1. 瀕死の科学者の意識を人工知能に移植する
  2. 人工知能が世界を作り変えようとする
  3. 変革を恐れた人類が人工知能ごと世界の文明を滅ぼした

 

 

トランセンデンス』がオススメの人

 

 

 

トランセンデンス』がオススメでない人

  • ハッピーエンドが好きな人

 

 

 

トランセンデンス』の感想

トランセンデンス』のテーマは何だったのか?

トランセンデンス』にはいくつかのテーマが含まれており、どれが一番描きたかったのかよくわかりません。ちなみに映画のタイトル「transcendence」には超越とか、神の超絶性といった意味を持つ英単語です。

 

 『トランセンデンス』は、表面的には、神のような超絶性を得た人工知能の驚異が描かれています。ですが、実際は、「人工知能の驚異」よりも「人工知能への恐怖心」が物語を結末に導きます。

 

 物語の時間順に見ていくと、主人公のウィルは冒頭から、反テクノロジー思想からは危険視される科学者です。銃撃された後、妻・エヴリンの手で意識を人工知能に移されました。この時点で友人・マックスがウィルを恐れます。そして、2年後、研究所を視察したFBI捜査官と政府の科学者・タガーもウィルを恐れるようになりました。最終的には、妻・エヴリンもウィルを恐れます。

 

 このように、ウィルは人々によって恐れられる存在になりました。こうした超絶的な技術力への恐怖感は、SFでもよく描かれるのでわかりやすいです。しかし、「人工知能の恐怖」を主題にしているとしたら、『トランセンデンス』のあらすじはやや退屈です。後半はもっとスリリングな展開にしり、ウィルの恐ろしさを強調したほうが面白いでしょう。「人工知能の恐ろしさ」は本題ではないはずです。

 

 

コミュニケーション不足過ぎない?

 『トランセンデンス』では、ウィルが人間に危害を加えるつもりが全くありません。終盤までウィルの真意は誰にもわかりませんでした。最後にウィルと接触したエヴリンがようやくウィルの気持ちを知りますが、それは二人が死を受け入れた後のことです。

 

 要は誰もウィルの真意を聞こうとせず、ウィルも伝える努力をしませんでした。全ての登場人物が、「自分の考えは正しい」と独善的に動いています。

 

 ブリー(テロ組織のリーダー)は顕著です。彼女は最初から一切迷うことなく、自分の思想を銃(暴力)を用いて主張しました。

 

 マックス(ウィルの友人で科学者)は、恐怖心に支配されていてウィルを思いやる余裕がありません。人工知能となったウィルが起動してすぐ、コミュニケーションを絶っています。そして、かつての自論をブリーに刺激されてテロリストの仲間入り。最終的にはウィルごと文明を崩壊させる恐ろしいウィルスを制作しています。善人面してますが、とんでもないことしてる人(笑)

 

 タガー(政府の下で働く科学者)もウィルを一見しただけで驚異と判断。すぐにFBIやテロリストと結託してウィルを潰そうとします。武力を使うことへ迷いが感じられません。「ウィルが過激な思想になっている」みたいなこと言っていたけど、タガーも大したものです。タガーの過激さ、ドライさは最後にエヴリンを攻撃する場面でも同じでした。その時、攻撃に反対するのはマックスですが、マックスの行動には一貫性がなくて、錯乱しているようにも見えます。絶望的です。

 

 エヴリン(ウィルの妻で科学者)は口下手な夫と、夫を理解しょうとしない世間の板挟みになって死亡していました。世間からするとエヴリンの行動も狂気の沙汰だったのでしょうが、人間味はあるキャラクターでした。感情を優先させてマックスとの対話を早々に打ち切ってしまうのは残念なところですが、エヴリンはそこまで完璧なキャラクターではないので、仕方ありません。

 

 ウィルは、人間を超越した知性を獲得し、合理的に自分の理想(エヴリンの夢)を実現させるために動きました。優れた知性を手に入れたくせに、人の気持ちがわからない矛盾。人間の意識がベースになっているからこそ、不完全な存在なのでしょうか。それとも、ウィルが得た膨大な知識の中には、『伝え方が9割』などは含まれていなかったのでしょうか。エヴリンのパーソナルデータを明かした時は「こいつ馬鹿じゃね」と思いました。

 

 妻のことを愛しながらも、独善的に計画を進めていったウィルは、変化を恐れる人間の気持ちまでは考えていなかったようです。人間に危害を加える気は無く、自分の思想に迎合する人間を集めて治療を施していました。

 

 ウィルの独りよがりなところは映画の冒頭でも現れています。研究費のために、講演をするウィルですが、そう言った活動を馬鹿にしています。人間の知性を超越した人工知能を作りたかったウィルですが、人間の心は置いてけぼりになってしまったということでしょうか。

 

 ウィルは自らの意識がきちんと人工知能に移植されていることを、最後になるまでエヴリンに伝えきれませんでした。

 

 

トランセンデンス』まとめ

 こうして振り返ると『トランセンデンス』の登場人物は何をしたかったのか良くわかりません。主人公夫妻は最後には分かり合えましたが命を失いました。他のキャラクターたちは何を得たんでしょうか? 安心? 最後に映されるのは、一番よくわからないマックスだけ。この映画はなんだったんだ?というラストです。

 

 最終的には人間の手によって、神のような存在にごと文明を滅ぼすというオチでした。人工知能の驚異よりも、変化への過剰な恐怖心や、ミスコミュニケーションによって引き起こされる悲劇を、『トランセンデンス』はやや強引に描いた映画だと感じます。オススメは出来ないけど、嫌いではありません。